柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

ネットリテラシー

間違いを認める大切さ

いくら注意していても、間違った意見を言ってしまうことは誰にでもあることです*1。大切なのは間違いに気が付いた後の対応です。当たり前のことですが、きちんとお詫びし、訂正するのが大切だと思います。反対に、間違いがわかった後も、間違っていないと自…

お詫びと訂正

先日の記事(1,2)では、大林ミカ氏の背後に中国の朱鎔基元首相の写真が飾ってある写真について取り上げ、一部の極右が流している主張はデマである可能性が高いと指摘しました。これについて、4月8日、自然エネルギー財団から発表がありました。 「ネット上で…

陰謀論者の写真をめぐる空想

4/12追記:大林ミカ氏の背後に中国の朱鎔基元首相の写真が飾ってある写真について、4月8日、自然エネルギー財団から発表がありました。 「ネット上で、大林事業局長の背後に中国の朱鎔基首相の写真が飾ってある写真が取り沙汰されていますが、この写真は、日…

極右陰謀論お断り

内閣府の再エネタスクフォースの大林ミカ氏の資料に中国の国営企業である中国国家電網のロゴが見つかった問題が白熱した議論を呼んでいます。私自身、再エネ政策には批判的で、市場を歪める再エネ買取制度は廃止すべきというのは常々言ってきたところですか…

池田先生のコメントへのコメント

評論家の池田信夫先生から以下のようなコメントをいただきましたので、一応お答えさせていただきます。 正直、これには驚きました。池田先生は学界の事情に詳しい権威ある学者なんでしょうけれども、これはとても学識あるコメントとは言えないのではありませ…

投資詐欺と経済学の常識

著名人の名前を騙った投資詐欺が流行っているようです。 投資詐欺が急増!名前悪用された有名人も注意呼びかけ|NHK 北海道のニュース 私が親しくさせていただいている先生方も勝手に名前を使われて被害に遭われていますが、SNS運営側もさっさと取り締まって…

男女共同参画センターをめぐる誤解

自分にとって好都合な情報ばかりに飛びついていると、陰謀論的な思考に陥ってしまいがちです。主張の結論が心地良いかどうかではなく、情報の真偽をきちんと判断することが重要です。今回はその好例と言える以下の事例を取り上げたいと思います。 男女共同参…

陰謀論の無意味さ

陰謀論や人種差別に熱中する方々を見ていて、いつも疑問に思えてならないのは、それがあなたの人生に一体何の役に立つのですかということです。 例えば、プーチン大統領やらトランプ前大統領やら何とかやらが正義の味方だとか光の戦士とかだとして、だからど…

岸田首相のスピーチ雑感

岸田首相が「共生社会と人権に関するシンポジウム」(2月3日開催)に寄せたビデオメッセージ が一部の右翼の方に激しく批判されているようです。何でも、「日本は差別が少ない国なのに、差別が多い国だと誤解される」のが問題なんだそうです。私からのアドバイ…

日本人の資格?

日本で活躍する外国人や帰化した方を執拗に攻撃し、自分が日本人であることをやたらに誇る人たちがいます*1。履歴書を書くときは自分の一番の功績を書くものですが、偶々日本に生まれたことが自分の生涯最大の業績で、それ以外に特に何も誇ることがないとい…

似非科学的な言葉遣いについて

最近、「境界知能」という言葉を自分が嫌いな相手を罵倒する言葉として使っている方が見受けられます。特に特定の政党や政治的傾向を持つ方に対する罵倒として「境界知能」を使う方が目立ちますが、全く感心しない風潮です。きちんとした定義がある専門用語…

自称愛国者はCMに夢中

自称愛国者の皆さんの排外主義的言動を見ていてつくづく疑問なのは、それが何の役に立つのかです*1。ここ最近では、Xでアンミカさんにかかわるワードが何度もトレンド入りしていましたが、日本が抱えている最大の問題は日清のCMなのでしょうか?彼らが常日頃…

嫌韓ヒステリーは百害あって一利なし

12月6日から始まったアンミカさんの「日清のどん兵衛」シリーズのウェブCMが一部の極右の方に攻撃されています。XにこのCMに関係するトレンドが毎日のように出ているのは本当にうんざりしますし、これこそまさに日本の恥です。 アンミカさんが「日本は世界の…

被害者責任論を説く人たち

最近のSNS上の国際政治の専門家への中傷や嫌がらせは度を超えています。議論の内容以前の問題として、意見の違う相手だからといって、嫌がらせをしたりしてよいはずがないでしょう。 年度末に向け、いくつも重要プロジェクトが控えていますが、悪質な嫌がら…

”正義”の暴走

当たり前すぎて本来は言う必要もないことのはずですが、意見の相違は犯罪を正当化しません。自分の気に入らない人間に物理的な危害を加える人は本人が自分のことをどう思っていようと単に犯罪者です。 人間の考え方は様々ですし、物事の判断は難しいこともあ…

「道徳的怪物」について(3)

前回の投稿で、イスラエルとハマスの停戦支持を明言しなかったサンダース議員*1を「道徳的怪物」と罵倒するフィンケルスタイン氏とは何者なのか簡単にお話ししました。一言でいえば、彼は無差別テロを肯定し、テロ組織に強い共感を寄せる危険人物です。イス…

「道徳的怪物」について(2)

前回の投稿に続き、イスラエルとハマスの「停戦」に反対したサンダース議員をmoral monster*1などと非難したフィンケルスタイン氏の投稿を取り上げます。 Norman Finkelstein responds to Bernie Sanders' grotesque depravity in refusing to demand a ceas…

「道徳的怪物」について(1)

バーニー・サンダース上院議員は社会主義を掲げる著名な左派政治家ですが、CNNとのインタビューでイスラエルとハマスの「停戦」を支持しなかったとして、左派から大変な批判を浴びています*1。反イスラエルで知られる政治学者のノーマン・フィンケルスタイン…

No Place for Antisemitism

10月7日のテロ組織ハマスによるイスラエルへの無差別テロはショッキングなものでした。多くの一般市民が残忍な方法で殺害されたことには憤りを禁じ得ません。残念なことに、日本でも欧米でも、パレスチナ問題を理由に、今回のテロを肯定したり容認したりする…

公平性の見本(?)

相手がヒトラーやスターリンならともかく、他人の誕生日や命日といった記念日にわざわざその人を悪く言うのはよほどです*1。良識ある人はそういうことはしないものではないでしょうか。 以下の岩波書店の投稿は少し前のものですが、『ショック・ドクトリン』…

「政府支出」の意味

先日、評論家の池田信夫先生の次のようなツイートを目にしました。前々から気にはなっていたのですが、誰も指摘されないようですので、一言コメントすることにします。 こういうバカも多いが、減税もバラマキなんだよ。ケインズ理論では 政府支出=歳出-税…

注意:スクープ報道の信頼度

先ほどの記事、思いのほか多くの方に読んでいただき、ちょっと不用意だったなと反省しています…YCC修正は、現時点では「日経がそう言っている」だけです。私自身、修正が絶対にあるという前提で書いたわけではないのですが、その点の強調が不十分でした。真…

有名税という名の人権侵害

タレントの不倫とか色恋沙汰はゴシップの話題にはなっても、広告や番組から降ろされたり謝罪会見をさせられたりするような話ではないはずです。有名人であっても私生活は尊重されるべきです。 タレントの広末涼子さんの不倫に対するバッシングのおかしさにつ…

LGBT理解増進法について

今回は6月16日に成立したLGBT理解増進法を取り上げたいと思います*1。LGBT理解増進法には賛否がありますし、皆さんは様々な意見をお持ちだと思います。どのような意見があっても良いのですが、法案への賛否はともかく、法案が成立すると性犯罪が激増し、「日…

そもそも拙著は「フリードマンをリフレ派にしている」か

私が池田信夫先生に公開書簡*1を書いたのは、意見の相違があるとかそういう問題以前に、私の著作や番組に対する池田先生の評価が基本的な点で事実に反しているからです。今日は拙著への先生のご評価について、いくつか追加的なコメントをさせていただきます…

池田信夫先生からのお返事へのコメント

2月11日、私の出演した番組や本に対して、池田信夫先生からツイッターでご批判をいただきました。先生のご批判には明らかな事実誤認がありましたので、池田信夫先生への公開書簡((1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6))で、反論をさせていただき…

ヴォルテールの言葉より

「寛容とはなんであるか。それは人類愛の領分である。我々はすべて弱さと過ちから作りあげられている。われわれの愚行を互いに許しあおう。これが自然の第一の掟である。」-ヴォルテール*1 これはフランスの哲学者ヴォルテールの言葉です。宗教上の不寛容を…

選挙妨害の罰則

政治の話題は熱くなりがちで、ネットだと相手が見えないので尚更そうです。 でも、「ネットなら俺は無敵だ!」なんて勘違いしてはいけません。ネットだからって、法律を守らなくてもいいわけではありません。ご注意ください。 以下、総務省のサイトから転載…

軽薄な極右人権活動家

騒いでいるのは大部分は選挙区外に住む無関係な方だと思いますし、千葉県民は良識を持った判断を下されるでしょうけれども、あまりにひどいので繰り返しになりますが千葉5区の選挙について投稿します。 さて、今回は、ウイグルの人権問題に関するデマを取り…

見出し詐欺にご用心(3)

左派メディアの「切り取り偏向報道」を批判し眉を顰めるのが昔の保守派でした。ところが、今を時めく自称真正保守の方々は切り取りが大好きなようです。 えりアルフィヤ氏の音声が”流出”などと称して右派サイトに公開されている音声は、公開の場でえりアルフ…