柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

ネットリテラシー

見出し詐欺にご用心(3)

左派メディアの「切り取り偏向報道」を批判し眉を顰めるのが昔の保守派でした。ところが、今を時めく自称真正保守の方々は切り取りが大好きなようです。 えりアルフィヤ氏の音声が”流出”などと称して右派サイトに公開されている音声は、公開の場でえりアルフ…

匿名陰謀論者の自己矛盾

私ももうそろそろうんざりしているのですが、千葉5区補選の話題です。選挙は明日ですから、もう少しお付き合い願いましょう。 火のないところに煙を立てる陰謀論者の才能は実に驚くべきものです。もっと別のことに使っていたらさぞ役に立ったでしょう。 立候…

民主主義の大切さ

昨今流行りの本が何と言おうと、選挙なしの民主主義はあり得ません。22世紀の民主主義であろうと23世紀の民主主義であろうとそれは変わりないでしょう。 今はちょうど統一地方選、衆参補選のさなかですが、政治に参加し、自らの権利を行使することは大変大切…

右派のダブルスタンダード

さて、前回の投稿では左派のダブルスタンダードを批判しました。では、右派の方は立派なものなのかといえば、言うまでもありませんが、それも決してそうではありません。今回の島田雅彦氏のテロ肯定発言や左派知識人の「あべしね」といった暴言に抗議してい…

左派のダブルスタンダード

作家の島田雅彦氏が安倍元首相の暗殺について「いままで何ら一矢報いることができなかったリベラル市民として言えばね、せめて『暗殺が成功して良かったな』と。まあそれしか言えない」などと述べ大きな批判を浴びています*1。社会的地位のある方がテロ礼賛…

えりアルフィヤ氏への不当な差別に反対します(3)

えりアルフィヤ氏の主張する政策にはもちろん賛否はあるでしょうし、それはそれで大いに議論すればいいでしょう。しかし、候補者についてすぐわかるようなことを調べもせずに人種偏見に基づいて適当なことを断言したり中傷したりするのはそういう議論以前の…

人種差別主義の欺瞞

第二次世界大戦中、米国の日系人が収容所に送られたことは少し歴史に詳しい方ならご存じでしょう。証拠を一切挙げることなく、日系人のスパイ行為や破壊活動が懸念されるからなどという理由で差別的な措置が取られたのです。たとえ当時の米国にとって日本が…

えりアルフィヤ氏への不当な差別に反対します(2)

前回に続き、えりアルフィヤ氏への誹謗中傷について取り上げます。極右的言動をする方の中には、えりアルフィヤ氏が選択的夫婦別姓を支持している*1ことを執拗に攻撃する方がたくさんいます*2。 しかし、選択的夫婦別姓に賛成か反対かにかかわらず、選択的夫…

えりアルフィヤ氏への不当な差別に反対します(1)

最近、千葉5区補選に自民党から立候補している、えりアルフィヤ氏に対して執拗に罵倒を繰り返している方がいます。彼女のご両親が中国出身だというだけで誹謗中傷を書き込む人がいるのは本当に悲しいことですし、憤りを禁じえません。虚偽の情報を流すのは…

不毛なレッテル張り(2)

日本では、どういうわけか「金融緩和は新自由主義」、「金融緩和は右派の政策だ」といったマクロ経済政策への奇妙なレッテルを張る人がいます*1。第二次安倍政権の進めたアベノミクスが大胆な金融緩和を中心にした政策だったからだと思いますが、こうした見…

不毛なレッテル張り(1)

「諸君、議論が白熱すると、あまりに簡単に相手には悪意があると決めつけるのは実に不快な習慣であります。意図に対しては寛大であるべきなのです。それは良いものだと信じなければいけませんし、実際明らかにそうなのです。しかし、我々は矛盾した論理や不…

池田信夫先生への公開書簡(6)

長々と長文失礼いたしました。①~③、いずれも誤解であることは理解していただけたかと思います。 繰り返しになりますが、私は人種差別に強く反対する内容の著作を公にしてきましたし、歴史問題について何か書いたことすらありませんから、「ネトウヨ」などと…

池田信夫先生への公開書簡(5)

③『ミルトン・フリードマンの日本経済論』に対する書評について 3点目に移りたいと思います。先生は、拙著『ミルトン・フリードマンの日本経済論』について、「これはひどい本だった。フリードマンは日本経済なんか論じてないのに、思い込みでフリードマンを…

池田信夫先生への公開書簡(4)

②植田和男氏の投票行動について 2点目に移ります。 2月10日の「チャンネルくらら」の緊急特番番組について、池田先生は、「ネトウヨってバカだな。植田さんは、速水総裁の利上げに反対票を投じたんだよ。」 [1]というツイートをされています。 しかし、これ…

池田信夫先生への公開書簡(3)

①「ネトウヨ」といういわれなき非難について(続き) 池田先生ご自身は、「ネトウヨ」という言葉を極度に排外主義的な人たちを指すのに使っておられます。特に中国への差別的言動をする方々を「ネトウヨ」と呼んでおられますね。例えば、最近のツイートでは…

池田信夫先生への公開書簡(2)

①「ネトウヨ」といういわれなき非難について 第一点目から始めましょう。池田先生は、最初のツイートから一貫して私を「ネトウヨ」と表現され[1]、「ネトウヨでリフレ派。別に右翼がリフレになる必要はないが、日本では両方やっているやつが多い。まぁバカの…

池田信夫先生への公開書簡(1)

2月11日のツイッター上の私に関する一連の投稿、拝読しました。私を「ネトウヨ」と表現されていることに大変驚き困惑しております。また、私の出演番組や拙著について大変激しい言葉で否定的な論評を書かれたことを悲しく思っております。 先生のツイートの…

見出し詐欺にご用心(2)

ネット番組は見てもらえなければ話になりません。テレビや新聞、雑誌等もある程度同じことが言えますが、無数の番組がひしめいているネットの宣伝はより過激になりがちです(もちろん、良心的なメディアもありますが)。 ネットメディアの宣伝文句やタイトル…

見出し詐欺にご用心(1)

ネット記事を読むとき、忙しい社会人の方は大体見出しだけを見て内容を判断されると思います。時間の節約には有効なやり方ですが、見出しだけを見ているとしばしば気が付かないうちに間違った偏見を持ってしまう場合があります。 良い例が2022年6月の黒田総…