柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

2024-01-01から1ヶ月間の記事一覧

万博中止論について

能登半島地震で、大阪・関西万博中止論が盛り上がっています。能登半島地震の被害は甚大だから、万博を中止して、建設業のリソースを震災復興に充てるべきだという議論です。これに関しては、飯田泰之先生が既に素晴らしい記事を書いておられますので、ぜひ…

関東大震災の教訓(3)

いつの時代にも、災害が起きた際に、どさくさに紛れて外国人への憎悪を扇動する人がいるものです。能登半島地震でもデマを流したりして排外主義を煽る人もいるだろうと覚悟はしていました*1。それにしても、次のような実名のポストを見たときは、さすがにび…

似非科学的な言葉遣いについて

最近、「境界知能」という言葉を自分が嫌いな相手を罵倒する言葉として使っている方が見受けられます。特に特定の政党や政治的傾向を持つ方に対する罵倒として「境界知能」を使う方が目立ちますが、全く感心しない風潮です。きちんとした定義がある専門用語…

関東大震災の教訓(2)

前回の投稿では、関東大震災の経済政策についてお話ししました。誤解のないようここでも再度強調しますが、私の投稿の趣旨はあくまでも関東大震災の際の迅速な経済対策とその方向性(増税ではなく減税)への評価です。当時の政府への高い評価を意味している…

関東大震災の教訓(1)

令和6年能登半島地震の被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。私事になりますが、私も北陸に暮らしたことがあり、慣れ親しんだ地域の惨状に大変ショックを受けています。一日も早い復興を願ってやみません。 1月4日、こんなことを議論するのは少し早…

石橋湛山の経済政策思想

2023年は、アダム・スミス生誕300周年、リカード没後200周年、ジョン・スチュアート・ミルの没後150周年という経済学にとって記念すべき年でしたが、日本の経済学者では、石橋湛山の没後50周年でもありました。 石橋湛山は、戦前は東洋経済新報社のジャーナ…

原田泰先生より『本当に役立つ経済学全史』をご紹介いただきました!

『週刊エコノミスト』2024年1月9日・16日号にて、原田泰先生より『本当に役立つ経済学全史』をご紹介いただきました! Book Review:経済学は論争と検証の歴史 現代に“役立つ”成果を紹介 評者・原田泰 | 週刊エコノミスト Online (mainichi.jp) 本書は現代の…

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。本年もどうかよろしくお願いいたします。 昨年は本当にたくさんの方にお世話になりました。お世話になった先生方、様々なイベントに来てくださった皆様、読者の皆様に心より御礼申し上げます。 新年早々に令和6年能登半…