柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

2024-01-01から1年間の記事一覧

良いお年を!

読者の皆様、いつもご愛読ありがとうございます。今日で2024年も終わりですね。皆さんにとって今年はどんな一年でしたか?私は個人的にはなかなか忙しい一年でこのブログの更新も滞りがちでしたが、ともかく一年が無事終わってホッとしています(笑)。 政治面…

アルゼンチン経済の奇跡

リバタリアンの経済学者出身のハビエル・ミレイ氏がアルゼンチンの大統領に就任して1年が経ちました。最初はエキセントリックな言動のミレイ氏はさんざん嘲笑されましたが、今は多くの人が考えを改めています。その成果はリバタリアニズムが達成できること…

ホッペの反動的”リバタリアニズム”

今日は、オーストリア学派の思想家ハンス=ヘルマン・ホッペ氏(ネバダ大学ラスベガス校名誉教授)を取り上げたいと思います。ホッペ氏は無政府資本主義者ロスバードの弟子で、自身も無政府資本主義を標榜しています。一部の本格派の(?)リバタリアンの間で…

レッセフェールの精神

彼〔ディオゲネス〕が日向ぼっこをしていると、アレクサンドロス大王がやってきて彼の前に立ち、「望みのものを何でも言うがよい」と言った。すると彼は「日陰になるからそこをどいてくれないか」と答えた。*1 古代ギリシャの哲学者ディオゲネスは、樽の中で…

民主主義の危機

今年は世界でも日本でも重要な選挙がありましたが、懸念されていたように極右政党、権威主義的政治家が政権を獲得する事態が相次ぎました。2020年の大統領選で不正選挙陰謀論を主張し議会襲撃事件を引き起こした張本人であるトランプ元大統領の当選は象徴的…

書評掲載(11/18)『資本主義が人類最高の発明である』

この度、『週刊金融財政事情』 2024年11月18日号にヨハン・ノルベリ『資本主義が人類最高の発明である』(山形浩生訳, News Picks)の書評を掲載していただきました。ぜひご覧いただければ幸いです! 『資本主義が人類最高の発明である』 | きんざいOnline 今…

書評掲載(11/15 )

忙しくてすっかりお知らせが遅くなってしまいましたが、週刊読書人11月15日号に松戸清裕著『ソヴィエト・デモクラシー』(岩波書店)の書評を掲載させていただきました。ぜひご一読いただければ幸いです! 【What’s New!】週刊読書人2024年11月15日号 | 読書…

インフレ目標「0%超」はなぜ問題か

今回の衆議院選で立憲民主党がインフレ目標を2%から「0%超」に変更するという公約を掲げたことに関して様々な議論が起きました。Xでも書きましたが、少々遅ればせながら、立憲の公約が何故まずいのか一言書いておきます。 物価目標 0%超は経済学の常識か…

選挙妨害にNOを

ひょっとすると私たちは〔民主主義という〕奇跡にふさわしい感謝を捧げるには、その下であまりに長く暮らし過ぎているのかもしれません。自由は脆いものです。それが失われるときは一世代もかかりません。自由は相続されるものではなく、それぞれの世代が絶…

英利アルフィヤ氏への中傷について

衆議院選挙も最終版です。昨年の補選でもそうでしたが、千葉5区の自民党候補、英利アルフィヤ氏に対しては事実に基づかない誹謗中傷が非常に多い状況です。 少なくとも、ここに書いてあることぐらいは知った上で投票先を決めてほしいと思います。 えりアルフ…

民主主義を脅かすテロ

恐ろしいことですが、選挙期間中にテロが起きるのはもはや珍しいことではなくなってしまったようです。今朝、自民党本部に火炎瓶のような爆発物が投げつけられる事件が起きました。容疑者の男は犯行後さらに総理官邸に車で突っ込もうとしましたが、警視庁に…

ケネディvs.フリードマン

石破首相が報道番組でケネディの演説を引用したことが話題です。 「国が何をしてくれるかを聞くな、一人一人が国のために何ができるかを聞けということをケネディが言いましたね。それは私はそうだと思っています。ですから、消費税を下げる…〈中略〉…これを…

石破政権に白紙委任状は与えられない

各種世論調査を見ると、石破首相は思ったよりも人気がないようです。総裁選で高市氏を支持していた右派から石破首相が嫌われているのは当然のことでしょうが、首相の解散権の行使に慎重な従来の主張を撤回して解散総選挙を決めたことや、経済政策や防衛政策…

音喜多先生、米山先生より記事をご紹介いただきました!

先日の私のブログ記事「ミルトン・フリードマンのアドバイス」を日本維新の会の音喜多駿政調会長に取り上げていただきました。 〉私はどんな状況でもどんな理由であれ可能なら常に減税に賛成だ。なぜなら大きな問題は税金ではなく政府支出だと考えるからだ。…

石破新政権への不安

9月27日の自民党総裁選は石破茂氏の勝利に終わりました。自民党に批判的な野党支持層にも人気で、長らく反主流派の立場にいた石破氏の勝利は疑似政権交代のようなものです。従来の政権がなかなか進められなかった課題にも取り組んでくれるのではないかという…

ミーゼス vs. "ミーゼス派”

9月29日は、偉大なオーストリア学派のリバタリアンの経済学者、ルートヴィッヒ・フォン・ミーゼスの誕生日です。そこで今日はミーゼスとリバタリアニズムの話題をお話ししたいと思います。と言っても、明るい話題ではなく、ミーゼスの名前と結びついている最…

ミルトン・フリードマンのアドバイス

近頃、フリードマンの名前で減税派を批判している方を見かけます。なんでも「減税でも増税でもどうでもよく、政府支出の規模しか重要ではないというのがフリードマンの主張だから、減税派は自由主義者じゃない!」のだそうです。 私はそもそも「誰それが言っ…

立憲民主党代表選の雑感

自民党総裁選に比べると盛り上がりに欠けていましたが、9月23日には野党第一党である立憲民主党の代表選があり、野田元首相が勝利しました。正直なところ、有力候補の政治家がこれまでと変わり映えしない顔ぶれの党首選に注目が集まらなかったのはやむを得な…

ハリス暗殺を煽動する似非”リバタリアン”

米国リバタリアン党の極右の派閥Mises Caucusの危険性については、このブログやXの投稿でたびたび訴えてきましたが、とうとう深刻な事件が起きました。9月15日、Mises Caucusの牙城であるリバタリアン党ニューハンプシャー支部の公式Xが次のようなハリス副大…

小泉政権は「新自由主義」だったのか

小泉進次郎氏が自民党総裁選の有力候補になっていますが、小泉氏は父の小泉純一郎元首相のイメージや解雇規制緩和の主張等から「新自由主義」のレッテルを張られているようで、賛成派、反対派双方が小泉純一郎政権の規制緩和の是非で盛り上がっています。 水…

政治家崇拝の愚かしさ

日本では自民党総裁選や立憲民主党代表選、米国では大統領選が話題ですが、選挙になると、特定候補の発言をいちいち正当化して回る熱烈な支持者が大活躍します。他の候補が当選したら「日本は終わる」(一体全体、今まで何回日本は終わったのでしょうか?)と…

竹内氏の学習院への中傷について(3)

先日の2つの投稿では、学習院大学に対する竹内久美子氏の中傷が事実無根であることを訴えましたが、予想以上に多くの方に読んでいただくことができ嬉しい驚きでした。そこで今回はもう少し一般的な観点から学習院大学がどんな大学かお話ししたいと思います。…

竹内氏の学習院への中傷について(2)

前回の投稿では、竹内久美子氏による学習院大学への誹謗中傷に対して反論しました。多くの方に読んでいただき大変感謝しております。今回は、竹内氏の中傷の根拠のなさについてさらに補足的な論点に触れたいと思います。 竹内氏は「佳子様が学習院を中退した…

竹内氏の学習院への中傷について

昨晩、以下の投稿をたまたま見かけました。私が愛してやまない学習院大学に対してあまりにひどい出鱈目な言いように衝撃を受けました。 これだけではなく、竹内氏は秋篠宮家が学習院を選ばない理由について「学習院が極度に左傾化して、しかも罠を仕掛けるよ…

美しく着飾っても共産主義の本質は変わらない

東京大学の斎藤幸平准教授とアーティストの村上隆氏の対談動画が話題になっています。対談の内容というよりは、脱成長論者の斎藤氏が高級ブランドのメゾン・マルジェラの服を着ていることに批判が集まっているようです。学者としての斎藤氏はともかく*1、彼…

7月会合についての短評

日銀の7月の金融政策決定会合についての私の判断ですが、詳細は他の場所に書きましたし話したのでここでは簡単に書きたいと思います*1。今回は、6月会合で予告されていた長期国債購入額の減額に加え、利上げも実施され、日銀は予想以上にタカ派的でした。会…

書評掲載(7/26)

これもお知らせが大幅に遅くなりましたが、7月26日の『週刊読書人』の特集「2024年上半期の収穫から 44人へのアンケート」に寄稿した記事が掲載されましたのでお知らせします。ぜひご一読いただければ幸いです。 【What’s New!】週刊読書人2024年7月26…

書評掲載(7/16)

少しお知らせが遅くなってしまいましたが、『週刊金融財政事情』 2024年7月16日号に森村進著『正義とは何か』(講談社現代新書) の書評を掲載していただきました。ぜひご覧いただければ幸いです! 『正義とは何か』 | きんざいOnline (kinzai-online.jp) 森村…

暑中見舞い

猛暑が続きますが、皆さんはお元気でお過ごしでしょうか?日銀の利上げと米国の景気後退の兆候で株価が大暴落していますから株式投資家の皆さんはあまり元気ではないかもしれませんが、私は短期的な株価の変動についてあれこれ書くのは好きではありません(…

リバタリアン党ミーゼス・コーカスはなぜ危険か(4)

LGBT差別について リバタリアン党Mises Caucusの危険性についてこれまで3回にわたり議論してきましたが、今回は党内のLGBT差別について論じましょう。木村様からは、Mises Caucusの「LGBT[への批判]は政府による公教育などでの強制的な「差別是正措置」に…