柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

2023-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ミル没後150周年

2023年はジョン・スチュアート・ミルの没後150周年でしたが*1、今年は特に自由の意義を改めて考えさせられた1年でした。 2020年の米国大統領選後から顕著になっていた現象ですが、今年はネットを中心に一部の過激な集団が根拠のないデマをもとに迷惑行為を繰…

よいお年を!

いよいよ2023年も今日で終わりですね。2023年は皆さんにとってどんな一年でしたか。 経済に関しては、年初には様々な懸念材料がありましたが、意外に悪くない一年だったといえるでしょう。米国経済が予想以上に堅調で、日本経済も30年ぶりの大幅な春闘賃上げ…

岩田規久男先生より『本当に役立つ経済学全史』をご紹介いただきました!

『週刊読書人』2023年12月15日号の「2023年の収穫」にて、岩田規久男先生より「今年印象に残った3冊」の一つとして拙著『本当に役立つ経済学全史』をご紹介いただきました!高く評価していただき大変光栄です! ちなみに、岩田先生ご推薦の他の2冊はブランシ…

田中秀臣先生より動画をご紹介いただきました!

田中秀臣先生から今年の動画&SNS発言(日本語のみ)ベスト5の一つとして、テンミニッツTV配信の動画、柿埜真吾「「ヒトラーの経済政策はケインズ的で大成功だった」は大嘘」をご紹介いただきました!大変光栄で嬉しく思います! ご紹介いただいた動画では…

「資本主義のど真ん中」

以下のようなポストを見かけました。19.2万回表示されていて、1663件も「いいね」がついていますから、それなりに読まれているのでしょう。 奴隷関連の調べ物を。ここ数年で一気に増えつつある文献の頁を繰れば繰るほど、資本主義のど真ん中に奴隷制が鎮座し…

グラフの正しい読み方

著名な評論家の池田信夫先生のブログで「大分岐から大収斂そして再分岐へ」と題された興味深い記事を見かけましたので、コメントさせていただきます。この記事の中で池田先生は、IT革命による情報コストの低下で世界的な格差の収斂が起きているとし、日本の…

自称愛国者はCMに夢中

自称愛国者の皆さんの排外主義的言動を見ていてつくづく疑問なのは、それが何の役に立つのかです*1。ここ最近では、Xでアンミカさんにかかわるワードが何度もトレンド入りしていましたが、日本が抱えている最大の問題は日清のCMなのでしょうか?彼らが常日頃…

集団懲罰

10月7日のテロとそれに続く戦争では、集団懲罰の発想が大流行しています*1。ジェノサイドや集団懲罰を支持する主張は古くからある考え方です。とはいえ、古代の思想家の中にも、そうは考えなかった人がいたということを知るのは慰めになります。 〔神がソド…

ベネズエラの21世紀の帝国主義

社会主義者は、資本家が戦争を起こすという陰謀論を唱えることが少なくありません。極左の政治学者によれば、イラク戦争をはじめとする米国の中東への介入も石油支配を目的とした戦争であるそうです。 もしそうした説明が本当なら、戦争は資本主義の産物で、…

嫌韓ヒステリーは百害あって一利なし

12月6日から始まったアンミカさんの「日清のどん兵衛」シリーズのウェブCMが一部の極右の方に攻撃されています。XにこのCMに関係するトレンドが毎日のように出ているのは本当にうんざりしますし、これこそまさに日本の恥です。 アンミカさんが「日本は世界の…

被害者責任論を説く人たち

最近のSNS上の国際政治の専門家への中傷や嫌がらせは度を超えています。議論の内容以前の問題として、意見の違う相手だからといって、嫌がらせをしたりしてよいはずがないでしょう。 年度末に向け、いくつも重要プロジェクトが控えていますが、悪質な嫌がら…

”正義”の暴走

当たり前すぎて本来は言う必要もないことのはずですが、意見の相違は犯罪を正当化しません。自分の気に入らない人間に物理的な危害を加える人は本人が自分のことをどう思っていようと単に犯罪者です。 人間の考え方は様々ですし、物事の判断は難しいこともあ…

山本一太群馬県知事より拙著『自由と成長の経済学』のご紹介をいただきました!

12月1日の日本経済新聞「リーダーの本棚」のコーナーにて、群馬県の山本一太知事より、斎藤幸平氏の『人新世の「資本論」』とともに拙著『自由と成長の経済学』を紹介していただきました。ご紹介大変ありがとうございました! 群馬県知事 山本一太氏 - 日本…

週刊読書人インタビュー『本当に役立つ経済学全史』刊行を機に

少しお知らせが遅くなりましたが、『週刊読書人』11月24日号にて、『本当に役立つ経済学全史』の刊行記念インタビューを掲載していただきました。経済学における自由主義の伝統の重要性、マルクスと古典派の関係、陰謀論的なナチス礼賛言説の危険性など、拙…