柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

書評『プラトンが語る正義と国家 不朽の名著・『ポリテイア(国家)』読解』

拙著『本当に役立つ経済学全史』を出版させていただいたテンミニッツTVの講義録シリーズから、この度、第2弾として納富信留先生のプラトンの『ポリテイア(国家)』の解説書が出ましたので、ご紹介させていただきます。 プラトンが語る正義と国家 不朽の名著…

陰謀論の無意味さ

陰謀論や人種差別に熱中する方々を見ていて、いつも疑問に思えてならないのは、それがあなたの人生に一体何の役に立つのですかということです。 例えば、プーチン大統領やらトランプ前大統領やら何とかやらが正義の味方だとか光の戦士とかだとして、だからど…

書評掲載(2/16)

少しお知らせが遅くなりましたが、週刊読書人2月16日号に、池尾愛子著『天野為之 日本で最初の経済学者』(ミネルヴァ書房)の書評を掲載させていただきました。ぜひご一読いただければ幸いです! 天野為之は、福沢諭吉や田口卯吉と並び明治日本の3大経済学…

2%と200%の違い

先日はオーストリア学派のレトリックを中途半端に使った増税を支持する議論を批判したので、あるいは誤解があるかもしれませんが、私は別に真面目にオーストリア学派を研究している方に喧嘩を売っているわけではありません*1。私が言いたかったのは単にリバ…

岸田首相のスピーチ雑感

岸田首相が「共生社会と人権に関するシンポジウム」(2月3日開催)に寄せたビデオメッセージ が一部の右翼の方に激しく批判されているようです。何でも、「日本は差別が少ない国なのに、差別が多い国だと誤解される」のが問題なんだそうです。私からのアドバイ…

書斎の過激派オーストリアン

小さな政府を支持するリバタリアンを自称する方の中には、何であれ金融緩和に強硬に反対される方がいます。「日銀の不自然な市場への介入のせいで金利が低水準に抑えられると日本経済は大変なことになる」のだそうです。彼らに言わせると、アベノミクスとは…

日本人の資格?

日本で活躍する外国人や帰化した方を執拗に攻撃し、自分が日本人であることをやたらに誇る人たちがいます*1。履歴書を書くときは自分の一番の功績を書くものですが、偶々日本に生まれたことが自分の生涯最大の業績で、それ以外に特に何も誇ることがないとい…