柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

減税・規制改革

男女平等と規制改革

3月8日は国際女性デーでした。日本では(というか日本に限らず多くの国でもそうですが)、女性の権利を支持し男女平等を主張する人は大きな政府を支持しがちです。逆に小さな政府の支持者は、そうした運動を疑いの目で見ている場合が多く、男女平等はすでに実…

観光税の負担

3月6日、大阪府の吉村洋文知事が、オーバーツーリズム対策として訪日外国人客を対象とした徴収金の導入を検討すると発表しました*1。大阪・関西万博が開幕する25年4月をめどに導入する方針とのことです。大阪府は既に宿泊税を2017年から導入していますが、宿…

食料品値上がりの自然な対策

食料品の値上げが相次いでいます。こういうとき必ずやり玉に挙がるのが金融政策です。「インフレを目指しているせいで物価が上がる、そのせいで生活が苦しい、すぐ金融緩和をやめて引き締めるべきだ」といった主張を盛んに唱えておられる方がいます。 しかし…

政府支出万能論と不都合な真実

皆様、お久しぶりです。時間の都合と体調不良でしばらく書きませんでしたが、久々に投稿します。今日は経済成長と政府支出の関係についてお話しましょう。 政府支出を増やせば、経済は必ず成長するでしょうか。場合によるとしか言いようがありません。もしそ…

消費停滞への自然な処方箋

5月8日、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の分類が季節性インフルエンザと同じ5類に移行しました。ひとまずコロナ禍に対する緊急対応は終了し、経済は平常モードに戻ることになりそうです。コロナを恐れた自粛の行き過ぎが消費を冷やしてきた中で、5類…

減税vs.政府支出:なぜ減税が望ましいか

積極財政派の政治家は少なくありませんが、その多くは政府支出を増やすことに積極的であっても、減税にはあまり積極的ではないようです。減税も政府支出拡大もどちらも財政政策なのですが、なぜか人気があるのは公共事業等の政府支出拡大です*1。実際には、…

経済を成長させない方法

さて、タイトルは半ば冗談ですが、半ば真面目です。以下の記事をご覧ください。 書店ゼロ自治体、全国で26% ネットでの無料配送規制の議論も:朝日新聞デジタル (asahi.com) 書店ゼロの自治体が4分の1もあることが紹介され、自民党の「街の本屋さんを元気に…

増税に頼らず?

岸田首相の「異次元の少子化対策」は結局、異次元の増税に終わるのではないでしょうか。自民党の茂木幹事長が4月4日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、「増税に頼らず」に社会保険料を財源として少子化対策をするという趣旨の発言をされたことが話題…