柿埜真吾のブログ

日々の雑感を自由に書きます。著書や論考の紹介もします。

選挙妨害にNOを

ひょっとすると私たちは〔民主主義という〕奇跡にふさわしい感謝を捧げるには、その下であまりに長く暮らし過ぎているのかもしれません。自由は脆いものです。それが失われるときは一世代もかかりません。自由は相続されるものではなく、それぞれの世代が絶えず勝ち取り、守り続けなければならないものなのです。ーロナルド・レーガン*1

衆議院選挙も最終版ですが、極右、極左の特定候補への誹謗中傷や暴力行為は一向に収まる兆しがありません。昨晩は日本維新の会の音喜多駿候補への暴行事件が起き、自民党の藤原崇候補への殺害予告もありました。先日の自民党本部や総理官邸へのテロ事件もそうですが、どんな大義名分だろうが、このような人権侵害は絶対に許されないことです。

暴力による選挙妨害が普通のことになってはいけません。「〇〇党なら仕方ない」「〇〇氏が被害者ならいい気味だ」といった党派的態度をとるのは民主主義を否定する自殺行為です。どんな政党を支持するかにかかわらず、誹謗中傷や暴力に対しては断固たる態度をとるべきです。まともな民主主義の選挙を守り抜きましょう!

個人的な話になりますが、実は偶々今週の火曜日に目白駅を通った際、音喜多さんが演説している姿をお見掛けしたばかりでした。以前に番組等でもお話したことがあり、信頼している候補者です。こんな恐ろしい事件が起き大変驚いています。大事に至らなくて本当に何よりでしたが、音喜多さんもスタッフの皆さんも本当に恐ろしい思いをされたことでしょう。本当に憤りを禁じえません。心よりお見舞い申し上げたいと思います。

日本維新の会を潰したい人たちにとって音喜多さんは最重要の標的なのでしょうが、音喜多さんへの一連の攻撃は組織的で極めて悪質です。今回の暴行事件だけでなく、容姿等への尋常でない人権侵害的な中傷*2が広められたり、過去の映像の悪意ある編集動画が選挙戦終盤に投稿されたり*3、選挙ポスターが繰り返し傷をつけられたりと明らかに普通ではありません。軽い気持ちなのかもしれませんが、どれも立派な犯罪行為です。

今回の暴行事件についても、候補者に怪我をさせておきながら、「自分からこけた」とかまだ言っている方々がいますが、40人もの大人数で取り囲み、候補者が「車に乗ることを妨害され、…揉み合いをしてる間に群衆が後部座席に乗り込むという暴挙をしてきて発進することもできず、身の危険を感じて会議室に逃げ込み…帰れない」*4という状況を作っておいて、「勝手にこけた」とか「自作自演」などというのは本当にどういう神経でしょうか。

こういうのはまるで「あの子が勝手にこけたんだ、僕は悪くない」とかいうタチの悪いいじめっ子の言い分のようです*5。そもそも、このような状況を作り出し、選挙を妨害したというだけでもうすでに立派な犯罪行為でしょう*6。人をこんな目に合わせておいて、加害者が被害者を嘘つき呼ばわりするとは呆れた話です。どちらを信頼すべきかは常識ある人には明らかでしょう。

今回の事件のきっかけを作っておいて、反省のかけらもなく自作自演がどうのと陰謀論めいた事を書くような人たちは全く信頼に値しません。こんな人たちに人権や民主主義について語る資格など全くないでしょう。

日本維新の会への評価や音喜多さんへの評価は様々なものがあるのかもしれませんが、少なくとも、私自身が経済学者として番組等でお話しさせていただいた限りでは、音喜多さんは国民のためになる経済政策を真剣に考えておられる方だと思いますし、金融政策、減税、規制改革などの重要性を理解している数少ない国会議員の一人です。

自民党立憲民主党増税路線である中で、日本維新の会は大胆な減税と規制改革を掲げていますが、音喜多さんはその急先鋒です。選挙後も迷走が予想される国会になくてはならない人だと思います。減税・改革路線の旗振り役、音喜多さんを強く応援したいと思います。

明日はいよいよ投票日ですが、暴力に屈することなく民主主義を守るためにも明日はぜひ投票に行きましょう。

*1:January 5, 1967: Inaugural Address (Public Ceremony) | Ronald Reagan

*2:それを普段命を大事にするとか差別に反対すると言っている左派の方が喜々としてやっているのにはぞっとします。相手の意見が何であれ、人権侵害は絶対に許されないはずです。

*3:維新の会のスタッフが暴力をふるっていると主張する映像が投稿されていますが、問題の映像は過去のもので悪質な編集がなされています。維新の会の声明によれば、一部で拡散されている動画は2024年2月29日に銀座で実施した定例街宣であり、衆議院選挙の街宣ではありません。撮影者は長時間に渡り奇声を上げながらスタッフに暴力行為を行い逃亡しようとしたため、東京維新の会のスタッフが取り押さえたものであり、警察に通報して双方が事情聴取に応じた結果、撮影者はその場で現行犯逮捕され勾留されています。自身の怒声及び明らかな暴力行為を意図的にカットし、あたかも自分が被害者であると誤認させる目的で悪質な編集がなされています」とのことです。この映像を拡散していたのは今回の暴行を扇動した人たちが中心ですし、多くは匿名のいかがわしい投稿です。「維新から暴力を振るわれた」なる彼らの主張の信ぴょう性はそこからも見当がつこうというものです。当時の経緯はXの投稿やブログ記事(犯人は現行犯逮捕。演説妨害・政治活動妨害は犯罪行為です。 | おときた駿 公式サイト)で紹介されていますし信頼するに足るものと思います。

*4:音喜多氏本人のX投稿ですが、こういう状況だったことは今回の事件を起こした人たちも認めていることです。

*5:ついでながら、ネイマール選手に対しても失礼でしょう。何を言うにしても誰彼構わず名誉棄損物の発言をしないと気が済まないとは呆れた話です。

*6:わざわざ言う必要はないと思いますが、常識的に言っても、映像を見ても、音喜多氏の自作自演などというのは噴飯物のでたらめです。